先日の作業にて、KATOのD51標準型(リニューアルモデル)からD51 146号機を製作する工作はここで一旦完成としておきます。模型工作完了としたD51 146号機(Nゲージ)の写真です。
このD51 146号機は開放型キャブの普通の北海道仕様のD51で、現在真岡鉄道のSLキューロク館に保存展示されています。普通の北海道仕様のD51なのですが、D51 146号機独特の表現もいくつかあり、模型ではそれを再現しています。
また、このD51 146号機は現役当時の長万部機関区所属時代(この機の現役時代には、長万部→岩見沢と移動しています。詳しくはこちら ↓)
の姿をモチーフとしておりますので、現在の真岡のD51 146とは少し異なるディテールの箇所もあります。
D51 146号機の現役仕様の主な特徴的な表現は、
①重油併燃タンク
②点検窓蓋付デフ
③公式側蒸気暖房管の配管位置
④非公式側油ポンプ箱がランボードの上にある。
⑤給油装置の試験弁に耐寒型では普通は付いているカバーが無く、ランボード上に普通とは90度向きが変わっている。
⑥キャブの後部に縦に走る手すりの形状が公式側と非公式で異なる。⑦キャブ窓のバタフライスクリーンの高さが公式側と非公式で異なる。
という感じです。①②以外の特徴は、保存機となった今の真岡のD51 146号機でも見られます。
一旦完了としますが、例えば、火室上部の配管は元のディテールをそのままにしていたりと、まだ弄れる箇所は残されてます。今後またディテールを追加するときには掲載しようと思います。
真岡鐵道SLキューロク館で保存されているD51 146は、自走可能な動態保存です。とはいえ、石炭と水による水蒸気を使った蒸気機関車本来の動力方式とは異なり、この水蒸気の代わりに圧縮空気を放出する力を用いてシリンダーを動かし車輪を動かすという方法です。操作方法や動く仕組み自体は現役の蒸気機関車と変わりはありません。
蒸気機関車を蒸気機関車本来の動力のまま復活させるには、修理をすることももちろん重要ですが、走らせるための維持費も必要となり、財政的な負担も大きいということは周知の事実です。復活したC62 3号機もそうして静態保存に戻ってしまいました。D51 146は、圧縮空気を動力源とする機関車に改造され、あまり財政的な負担がない形で「復活」となりました。C62 3も圧縮空気による「復活」はできないものなのでしょうか。
D51 146は、現役引退後、静岡市に保存されていました。一時、市は老朽化を理由に解体、撤去を計画しました。しかし、市民、鉄道ファンから、D51 146をなんとか残したいという運動が起こり、解体は取りやめとなりました。譲渡先が公募され、幸い真岡市が名乗りをあげ、D51 146は2015年9月に真岡鐵道SLキューロク館に移されました。そしてさらに、このように自走できるように整備されたという事は奇跡的であると思います。
そんなD51 146。昔故郷の町を走っていたSLが、今場所は変わっても生きている事はうれしい限りです。そんな想いをこめて、模型工作は続きます。
↓ 過去のD51 146号機の加工記録は以下からどうぞ。
antiquity-closet.hatenablog.com
製作のベースにした、NゲージKATO D51 標準型 2016-9はこちら ↓