札幌ビール園・静態保存の頃の9643号(2014年6月)
懐かしい写真が出てきました。サッポロビール園で静態保存されていたころの9643号機です。
9643号機は、今現在はニセコ町のニセコ駅前に保存されています。
2017年の春にニセコに来る前は、札幌市のサッポロビール園に保存されていました。写真は2014年6月のもの。現在、ニセコで見ることができる9643よりは見た目がくすんでいて、いかにも放置された静態保存機という感じ。サッポロビール園の改修に伴い、行末が案じられていたところ、井門コーポレーションが札幌ビ―ル園より譲渡を受け、保存先として現在のニセコ駅横での保存となりました。
ニセコへの移設の後、修繕もされていて、見た目はとても綺麗に、今にも動き出しそうな姿になりました。
9643号がニセコに来てからの記事に書いていますが、この機関車は元は国鉄の9643号ですが、現役時代のほとんどを道北の日曹炭鉱天塩砿業所専用鉄道で過ごした機関車です。
この記事に書きました。
ちなみに、上の記事の時の写真は、前面がブルーシートに覆われた姿でしたが、先日ニセコに用があり、前を通ったので、前面ブルーシートが無い姿を撮ってきました。相変わらず素晴らしい姿です。
一方、倶知安の79615はかなりのスピードで腐食が進んでおり、このままではあと数年後には解体に話が向かってしまうのではないかととても心配しています。錆の進行は著しく、色々なところがポロポロとサビ落ちています。
新幹線開業で倶知安駅の跨線橋やSL時代かあった信号塔などの遺構は、先日全て撤去されました。転車台はかろうじて残っていますが、こちらも79615同様、腐食が進んでいます。倶知安町の行政にはこういう文化遺産を遺すという意思はなさそうです。
一時期は機関区が存在し、鉄道の街として歩んだ歴史を無くして、倶知安町の町史は語れないと思うのですが、在来線も廃止が決まった倶知安は、古き良きものを捨て去り、庶民の足として街の発展に貢献した記憶の1ページを消し去ろうとしています。せめて、SLの遺構だけは大事にできないものでしょうか。