Antiquity in my Closet

我が子と近所に保存してある機関車をみていたら、幼少の頃父に買ってもらった鉄道模型を思い出し、40過ぎから模型工作を始めてみました。「鉄ちゃん」のイメージから、なんとなく家族には言えず、押入れの中にひっそりと・・・幼少のころ父とみた古の機関車の記憶。

倶知安機関区の2つ目9600 -79618号機のディテール追加加工

 こちらは久しぶりに取り出した私の持っている唯一の9600形、79618です。本当は静態保存で現存している79615を作りたかったのですが、模型工作初心者の私が簡単に改造加工出来そうと言う理由で選んだ取り合えず倶知安機関区所属の2つ目79618号機を。という事で加工を始めました。

79618 倶知安の2つ目9600-1

 大体の形にしてからしばらく加工をしておらず、実に1年以上放置してありましたが、先日いくつか些細な所に追加加工をしました。
 1つ目は、ボイラー火室周りの配管を追加しました。非公式側の発電機への配管2本と、公式側のコンプレッサー付近からキャブに向かって斜めに配置されている配管です。両方とも0.2mmの真鍮線を接着しています。

79618 倶知安の2つ目9600-2

79618 倶知安の2つ目9600-3

 2つ目はテンダー後ろの尾灯と、エアホースの取り付けをしています。共に銀河モデルのパーツです。79618の写真をみていると、テンダーの端梁の連結器の両側に穴が2つ開いています。何のための穴なのか、いつ頃から開いているものなのか、勉強不足でまったく分かりませんが開けてみました。

79618 倶知安の2つ目9600-4

 3つ目は、非公式側のキャブ前の大小箱2つの追加です。この装置も何か分かりません。付いていない時期もあったようです。プラ板で製作し置いてみました。
 4つ目は、前面の向かってやや右側上部にある灯火用?のフックです。エッチングパーツのランナー切れ端で作りましたが、ちょっと大きすぎたでしょうか。これは79618号の写真では確認できるのですが、79615の写真や保存機を見ても79615にはついていないようです。
 5つ目は、公式側キャブ下の速度検出装置です。C11のものに似てますね。これもランナー切れ端と導線の輪切りから作りました。

79618 倶知安の2つ目9600-5

  最後に、前面のデフとボイラの間に渡された架線注意標記の取付です。真鍮線0.2㎜を渡しレボリューションファクトリーの架線注意シールを貼っています。

79618 倶知安の2つ目9600-6

 以上の加工です。大した加工では無いのですが、久しぶりに79618を眺めることができました。やはり大正の名機9600はいいですね。そしてこの2つ目の9600は前面にエアタンクがあったり、給水温め器を背負っていたり、そこから延びる配管のゴテゴテ度合いなど重厚なまさに「機械」といった感じが好きです。各車番毎の個性が本当に出ているのですよね。蒸気機関車は全部そうですけど特に9600は色々な形があって面白いです。蒸気機関車に惹かれる理由はそういう人間的な所です。

79618 倶知安の2つ目9600-7

79618 倶知安の2つ目9600-8

 79618号機は、1924年2月に川崎造船所兵庫工場で新製され、道内に配置されました。手宮岩見沢遠軽→北見等を経て、1949年伊達紋別に配属、胆振線で使用された際に、2つ目前照灯に改造されています。そして1961年に倶知安に来るわけです。その際に切詰デフ、エアタンクの前方移設、給水温め器装着が行われたようですね。旋回窓の取り付けは1967年のようです。少し後だったのですね。


 79618号機は倶知安に1973年まで居ましたが、その後小樽築港へ一時移ります。すぐに室蘭の鷲別、道東の池田へと転属します。79618は2つ目の9600として有名なわけですが、池田に移った1974年、2つ目前照灯を取り外し、標準の前照灯へと交換されます。また給水温め器も取外されてしまいます。その翌年、1975年には使命を終え、廃車となりました。実に50年・半世紀にわたって北海道で活躍した蒸気機関車です。

79618 倶知安の2つ目9600-9

79618 倶知安の2つ目9600-10
 79618号機は解体されてしまいましたが、同じように半世紀活躍し、同じ時期に倶知安区にいた79615号機は2つ目のまま倶知安町で余生を過ごしています。先日も近くの小学校の写生会で子供たちに絵を描いてもらっていた様子。もう少し大事に保存されればもっと良い余生なのでしょうが。

↓ 過去の79618加工の記事