我が町には古い転車台がある。
豪雪地帯と言われるだけあって、冬は雪深い町である我が町。今は使っていない転車台は雪に埋もれ、手摺などはところどころ雪害を受けている。こうした古い鉄道遺構はもう少し大事にされるべきと思うが、財政的にも人手的にも難しいのであろう。
この街に機関区があったという記憶を残す設備はこの転車台の他にはほとんどない。転車台は、20m級の3点支持型で作業通路が両側に付いており、円状のレールにはスノープロウがある。
碑文によると、この転車台はC62型蒸気機関車が配置された昭和32年に大型電動式に更新された当時のものとのことである。
C62 3号機のC62ニセコ号が復活した際も、ニセコに転車台が移設される(新得機関区の転車台です。)までの短い期間、倶知安のこの転車台で向きを変えていた。確か小学生の頃、この光景を見たのだが、転車台の長さに対してC62の長さがギリギリで、機関士さんが正確に停めているのに感心したものだった。
今はもう車庫とつながっていないレール。
向きを変えることは現代の車両ではこの上なく非効率で必要ないものであると認識されるだろう。非効率で機械的なこの装置は、古き良き時代の象徴ともいえるアンティーク。さすがにこれは押入れには入らないけど。