Antiquity in my Closet

我が子と近所に保存してある機関車をみていたら、幼少の頃父に買ってもらった鉄道模型を思い出し、40過ぎから模型工作を始めてみました。「鉄ちゃん」のイメージから、なんとなく家族には言えず、押入れの中にひっそりと・・・幼少のころ父とみた古の機関車の記憶。

C62 3号機 ディテールアップ 軽加工(その2) KATO C62北海道形から

 先日のC62 2号機の加工に続いて、C62 3号機も同様の工作を施しました。

C62 3号機 (KATO C62 北海道形) -公式側

C62 3号機 (KATO C62 北海道形) -非公式斜め

 私が見たことのある「動いている蒸気機関車」は数少ないのですが、記憶の中で一番最初に見た蒸気機関車が、当時復活して小樽-倶知安間を走っていた(その後ニセコまで延長されています。)、このC62 3の牽引するC62ニセコ号でした。

 

 当時小学生だった私が倶知安駅で迫力あるこの蒸気機関車を目の当たりにした時の興奮はどれほどだったでしょうか。今でも鮮明に当時の情景が目に浮かびます。モクモクと蒸気を吐き出し動く姿。倶知安の転車台にC62 3がギリギリ一杯に乗っかり向きを変える様子。地元の町にももちろん転車台はありましたがもう動いていなかったので、機関車が載って回転する転車台を見たのも初めてでした。

 

 そういえばこのC62 3が牽引するC62ニセコ号で当時使用されていた客車(スハフ44 6と7)は、以前記事にもした、D51286と59614とともに小樽のワイン工場に静態保存されていますが塗装や外装はボロボロです。

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 C62ニセコ号の経験から30年余。鮮明に残る当時の記憶やインターネット上で見ることができる当時のC62ニセコ号の映像と、実際に見ることができる静態保存のスハフ44の損傷具合に、30年の現実を思い知らされます。随分時間が経ちました。もうC62 3の復活は望めない「夢」なのでしょうか。

 
 C62 3号機が現役時代過ごしたのは小樽築港機関区。そして、1985年にC62 3が復活した際も、手宮の北海道鉄道記念館(これは当時の名前で、現在の小樽市総合博物館です。) から小樽築港機関区に持ち込まれC62 3の仮復旧が行われています。小樽築港機関区の扇形庫(ラウンドハウスという呼び方のほうがカッコいいですね。)は道内最大で半円を超える30線あったそうです。

 

 残念ながら、今ではこのラウンドハウスを含めて小樽築港機関区の遺構は存在しません。1990年10月に小樽築港機関区解体工事が開始され翌年には全て解体されてしまいました。私もたまに行くのですが、今はウイングベイ小樽という商業施設とホテル、マンションが建っています。ここがC62やD51がひしめき合って動いていたあの小樽築港機関区の上だということをふと思いながらウイングベイで買い物をしています。

 

 さて、前置きが長くなってしまいました。
C62 3号機の模型のディテールアップ工作の話に戻ります。もちろんベースはKATO C62北海道形 C62 3号機です。今回はC62 2号機の工作と大体同じ箇所をディテールアップしています。

C62 3号機 (KATO C62 北海道形) -公式側面

C62 3号機 (KATO C62 北海道形) -非公式側面


①空気作用管の配管止め・・・「Nゲージ蒸気機関車」様のサイトを参考にしています。細切りした黒塗りマスキングテープを所定の場所に貼っています。C62 2号機とは場所が少し違いました。2号機の作業と同様、マスキングテープの粘着が弱く、細かな作業で折れそうになります。

 

②ATS車上子の交換・・・銀河モデルのパーツです。テンダーを分解し、KATO純正のものを切り取り、裏側から銀河のパーツを貼っています。

C62 3号機 (KATO C62 北海道形) -非公式後部

③蒸気暖房ホース・・・C62 2号機のものは自作だったのですが、ちょうど銀河モデルのパーツが1つ余っていることが発覚しましたので、今回はこれを付けました。結果やはりC62 3号機のこのパーツの方がC62 2の自作のものより見栄えが良いです。

C62 3号機 (KATO C62 北海道形) -後部

④テンダー後部のネズミ返しのゼブラ塗装・・・ラベルシールに自作デザインのゼブラ模様を印刷貼付。

 

⑤デフ‐ボイラに渡す架線注意表記・・・0.2mmの真鍮線をデフ-ボイラに渡し、レボリューションファクトリーの架線注意ステッカー貼り付け。

C62 3号機 (KATO C62 北海道形) -前面

⑥ドーム前手すり交換・・・銀河モデルのものです。KATOのファインスケールのリニューアルC62には明らかにオーバースケールのものです。C62 2と同様、線の細さを優先し、採用しました。C62 2号機よりも左右の縦部が垂直に切り立っているC62 3号機のドーム前手すりはKATO製品でもそのように表現されています。今回の銀河のC62 3のドーム前手すりは手すりの左右の角を少し切り、そのようになるように細工しました。いかがでしょうか。

C62 3号機 (KATO C62 北海道形) -非公式側

C62 2 と C62 3 ドーム前手すり比較

⑦増炭版・・・KATO製品のC62のテンダー増炭版の木目を表現した波々模様が不自然なので、模様をやすりで削ってしまいました。

 

⑧副灯(シールドビーム灯)の縁をシルバー塗装・・・ガンダムマーカーのシルバーを使って副灯の縁をシルバーに塗りました。C62 2号機もついでに塗りました。前面のアクセントになってこの銀色はいい雰囲気です。

C62 2 と C62 3

 ↑先日加工したC62 2号機とC62 3号機を並べてみました。少し暗くてわかりづらかったですね。

 

 そして以下は、C62 2号機にはない、C62 3号機に特化した工作です。

 

⑨空気圧縮機(コンプレッサー)へ繋がる蒸気管の形状・・・模型のデフォルトではボイラーに沿ってこの蒸気管が走っているのですが、C62 3号機のものは空気作用管を避ける形でここだけ上に浮かせて走っています。これを表現しました。
元のモールドを削り、途中から0.3㎜の真鍮線を実車の蒸気管の形状に整形して取り付けました。元のモールド跡が少し残ってしまいましたが、遠目には分かりません。この蒸気管はC62 2号機とかなり異なる特徴です。製品でも表現してほしかったところです。

C62 3号機 (KATO C62 北海道形) -空気作用管

 本日の作業は以上です。
昨年はほとんどD51に掛かってばかりでしたが、C62 2とC62 3へのディテール加工を少しやって、C62もさらにもうちょっとできるところはないかなと模索中です。パイピングを引き直すなどやれば切りがないと思いますが、製品のモールドを活かしたうえでちょっぴりディテールアップできればと考えています。
さて、次はどうしよう。

↓ ベースの模型はKATO 2017-3 C62 3北海道形

 ↓ 過去のC62 3の記事はこちら

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